医療機器の回収情報の調べ方:PMDA検索、回収クラス、自主回収の報告
医療機器の回収情報はPMDAで種類を選び、販売名や製造販売業者名から検索します。対象の型番・ロット・シリアル番号の照合、回収クラスI~IIIと機器自体の分類の違い、自主回収時の都道府県への報告を解説。公開用原稿と行政報告書の使い分け、2026年のGTIN・CSVとテンプレート更新も確認できます。
医療機器の回収情報の調べ方と自主回収の報告
医療機器の回収情報は、PMDAの回収情報で種類に「医療機器」を選び、販売名や製造販売業者名で検索して確認します。販売名が一致しても対象とは限らないので、型番、ロット番号、シリアル番号、出荷時期まで照合してください。
PMDAで医療機器の回収情報を検索する
現行のPMDA回収情報ページは2024年度以降の案件を検索対象にしています。ページ名は「回収情報(医薬品)」ですが、医療機器も含みます。2023年度以前の案件は、同じページから厚生労働省の「自主回収の状況」へ案内されます。
検索は回収情報の検索メニューから行います。操作説明にある絞り込み条件は次のとおりです。
- 種類(医療機器を選ぶ)
- 一般名・販売名(一部の入力でも可)
- 製造販売業者名
- 年度
- 回収クラス
- 回収終了の案件を含むかどうか
項目の間はANDです。入力した条件をすべて満たす案件だけが残ります。年度は暦年ではなく、回収開始年月日が属する年度で判定されます。検索結果の販売名を開くと、回収の概要が出ます。
年度とクラスの一覧から見ることもできます。2026年度の医療機器の回収は、クラスI、クラスII、クラスIIIの一覧に分かれています。一覧には終了や訂正も載ります。掲載中でも、回収が続いているとは限りません。検索で見つからないことも、対象外の証明にはなりません。年度の指定と販売名の入力を変えて、もう一度検索してください。それでも分からなければ、個別情報の連絡先を確認します。
回収クラスI~IIIの意味
回収クラスの定義は、厚生労働省の通知「医薬品・医療機器等の回収について」(2014年11月21日、薬食発1121第10号)にあります。
| 回収クラス | 通知の定義 |
|---|---|
| I | その製品の使用等が、重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る状況 |
| II | その製品の使用等が、一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性がある状況又はその製品の使用等による重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況 |
| III | その製品の使用等が、健康被害の原因となるとはまず考えられない状況 |
クラスは案件ごとに判断します。安全性に加え、期待される効果が得られないなど、有効性への影響も見ます。クラスIIも健康被害の可能性がある回収です。
医療機器そのものは、患者へのリスクでクラスI~IVに分かれます(2023年3月31日の通知)。回収クラスI~IIIとは別の分類です。
2014年通知の「回収」には、改修と患者モニタリングも入ります。改修は製品を移動させずに修理、改良、調整、廃棄、監視などを行うことです。患者モニタリングは、製品を摘出せずに患者の経過を観察することです。回収だから必ず搬出や摘出をするわけではありません。具体的な対応は、案件ごとの回収情報を読んで判断します。
回収情報で照合する項目
公開資料には、一般的名称と販売名、対象ロット、数量、出荷時期、製造販売業者、回収理由、危惧される具体的な健康被害、回収開始日、用途、担当者と連絡先などが載ります(2014年通知 第3の2)。
実例を一つ挙げます。2026年10月22日に回収を開始した「ニプロ携帯形精密輸液ポンプ CAP‐10」(クラスII)は、販売名がCAP‐10で、対象型番はCAP-10Fです。対象シリアル番号は個別に列挙され、79台、出荷時期は2013年8月~2021年2月です。同じ販売名だけで対象と判断せず、掲載された型番とシリアル番号まで照合してください。理由は設定より速く薬液が投与される可能性で、想定される健康被害と実際の被害報告は分けて書かれています。
2026年1月28日の通知で、照合に使う識別情報が増えました。厚生労働省の医薬監麻発0128第1号・第2号により、PMDAの回収情報からGTINと対応するロット番号等をCSVで出せるようになっています。上のCAP‐10のようにGTINなどの識別情報が一部表示の場合は、CSVで全体を確認してください。過去の案件すべてにGTINがあるわけではありません。
製造販売業者の自主回収の報告
薬機法第68条の11は、製造販売業者等が自主回収に着手したとき、その着手と回収の状況を報告する義務を定めています。第70条第1項の命令による回収は、この条文の対象外です。
報告のタイミングは施行規則第228条の22に定められています。
- 回収に着手した後、速やかに
- 軽微でない報告事項の変更、想定外の健康被害のおそれ、行政から状況報告を求められたときも速やかに
- 回収が終了した後も速やかに
不具合等報告の期限と混同せず、回収報告は「速やかに」行ってください。
医療機器の場合、報告先は管轄の都道府県の薬務主管課などです(2014年通知 第1、第3)。報告は原則として文書ですが、危急の場合は概要をファックス等で先に伝え、後日文書を出す方法も認められています。書類が揃うのを待って連絡を遅らせる必要はありません。
千葉県の案内(2026年2月9日更新)は、情報提供と回収措置の開始、県への報告、掲載原稿と着手報告書の提出を、間を空けずに並行して進めるよう求めています。提出方法は都道府県ごとに異なる場合があります。
医療機器の回収テンプレートは2種類ある
回収の書類は、PMDAに掲載する公開用原稿と、行政への報告書を区別します。2014年通知に基づき、PMDAが公開用原稿のテキスト作成テンプレートを提供しています。2026年1月の通知でGTINと該当ロット番号の入力欄が追加され、2026年4月1日以降に都道府県等へ掲載資料を出す際は更新版のテンプレートを使います(2026年1月28日通知)。
行政に出すのは着手報告書と終了報告書です。報告すべき事項は法令で全国共通ですが、様式、添付資料、提出方法は管轄の都道府県で確認します。たとえば千葉県は、着手・終了報告書のWord版とPDF版、記載方法、掲載原稿用テンプレートへのリンクをまとめて載せています。公開用原稿を出しても、行政への着手・終了報告は別に必要です。
同じ質問への出典付き回答は、RegAffairs AIの回答ページにあります。