PMDA医療安全情報の内容
PMDAの医療安全情報には何が載っていますか?
PMDA医療安全情報は、医薬品や医療機器を安全に使うための注意点を、図解などで医療従事者向けにわかりやすくまとめた注意喚起シートです。元になるのは、ヒヤリ・ハット事例や副作用・不具合報告のうち「繰り返し報告されている事例」と「添付文書改訂を通知した事例」です。対象は医師、薬剤師、看護師、臨床工学技士などです(PMDA医療安全情報ページ)。
Approach: 私が検索できるデータベースには、この「PMDA医療安全情報」シリーズの記録はありませんでした。PMDA関連で収録されていたのは、厚労省の「医薬品・医療機器等安全性情報」、回収情報、使用上の注意の改訂指示などの別資料です。そのため、PMDA公式サイトの一覧ページと No.69 のPDFを直接確認しました。
目的と性格
- 目的は「医療従事者に対して安全に使用するために注意すべき点などを図解等を用いてわかりやすく解説し、広く周知すること」と書かれています(一覧ページ)。
- 情報源は次の2つです(No.69 PDF p.4)。PMDAが専門家の意見を参考に作成しています。
- 日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業と、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業
- 医薬品医療機器等法に基づく副作用・不具合報告
- 同じページに留意点として、「医療関係者の裁量を制限したり、医療関係者に義務や責任を課したりするものではなく」、あくまで安全使用を支援する情報だと明記されています。
1号に載っている内容(No.69「名称類似による薬剤取り違えについて(その2)」2024年11月の例)(PDF p.1-4)
- 具体的な事例:たとえば、処方システムで「カルタ」と入力したところ「ビカルタミド錠(前立腺癌治療剤)」が候補に出て、不要な抗がん剤が処方された例です。また、20代女性への「ベタニス錠」が実は「ベオーバ錠」の誤りで、疑義照会により見つかった例も載っています。
- 「安全使用のために」の対策:自施設のシステムの検索方式が部分一致か前方一致かを確認すること、名称が似た医薬品の情報を施設内で共有することなどです。
- 類似名称の対照表:一般名とブランド名の組み合わせごとに、薬効分類名を並べた表です。
- 参考情報:関連通知(販売名の命名ルール)へのリンクがあります。過去号(No.51 改訂版)や最新の添付文書を確認するよう案内もしています。
- 問い合わせ先とPMDAメディナビ登録の案内
最近の号(一覧ページ)
| 号 | タイトル | 発行 |
|---|---|---|
| No.73 | インスリン専用注射器の使用について | 2026年4月 |
| No.72 | 胃瘻カテーテル取扱い時の注意について | 2026年2月 |
| No.71 | 中心静脈に留置するカテーテル使用時の空気塞栓事例について | 2025年2月 |
| No.70-1 | ガイドワイヤー取扱い時の注意について | 2024年12月 |
一覧ページにはNo.1以降の過去号もすべて掲載されていますが、ここでは直近の4号だけを示しました。このほか、関係団体や製薬企業からの医療安全情報も別ページで紹介されています(関係団体からの医療安全情報)。
ご希望であれば、No.1から全号の一覧を作るか、特定のテーマ(誤接続、名称類似など)の号を詳しく読みます。
Sources:
医薬品・医療機器等安全性情報とはどう違いますか?
大きな違いは、誰が出し、何を伝えるかです。「医薬品・医療機器等安全性情報」は厚生労働省(医薬局)が発行する安全対策の公式報告です。副作用報告などをもとに国がとった措置、たとえば使用上の注意の改訂指示の内容を医療関係者に知らせます。一方「PMDA医療安全情報」はPMDAが作るシートです。繰り返し報告されるヒヤリ・ハットや取り違え事例について、現場での防ぎ方を図解で示します。
Approach: 厚労省「医薬品・医療機器等安全性情報」の各号を収録したデータベースで、表紙・目次・本文を読みました。PMDA医療安全情報側の記述は、前回開いたPMDA公式ページとNo.69のPDFによります。
比較
| 項目 | 医薬品・医療機器等安全性情報 | PMDA医療安全情報 |
|---|---|---|
| 発行者 | 厚生労働省医薬局(連絡先は医薬安全対策課)。PMDAと厚労省の両サイトに掲載されています [1] | PMDA。専門家の意見を参考に作成しています(No.69 PDF p.4) |
| 元になる情報 | 「厚生労働省において収集された副作用等の情報」[1] | 日本医療機能評価機構のヒヤリ・ハット事例、副作用・不具合報告のうち繰り返し報告される事例など(No.69 PDF p.4) |
| 主な中身 | 行政がとった安全対策とその根拠です(下に詳しく書きます) | 具体的なミスの事例、「安全使用のために」の対策、類似名称の対照表など |
| 性格 | 規制措置の告知。たとえば厚労省は製造販売業者に使用上の注意の改訂を「指示」し、その内容を紹介しています [2] | 医療関係者の裁量を制限したり、義務や責任を課したりするものではないと明記されています(No.69 PDF p.4) |
医薬品・医療機器等安全性情報の毎号の構成(No.411、2024年7月の例 [2])
- トピック記事:
- 個別の改訂の背景説明。たとえばブリモニジン酒石酸塩含有製剤では、重篤な角膜混濁の可能性を調べた結果、安全対策が必要と判断され、令和6年6月11日に使用上の注意の改訂が指示されました。
- 制度の紹介。たとえばMID-NET®です。
- 重要な副作用等に関する情報:改訂内容とあわせて、改訂の根拠になった症例の概要を紹介します。
- 使用上の注意の改訂について(その○○):改訂を指導した医薬品ごとに、改訂内容と主な販売名を載せています。例として、エポプロステノールの「血小板減少」、ニボルマブの「大腸炎,小腸炎,重度の下痢」があります [3]。
- 市販直後調査の対象品目一覧
- 副作用等報告のお願い:医師・歯科医師・薬剤師などの医薬関係者は、副作用・感染症・不具合を知ったとき、直接または製造販売業者を通じて厚生労働大臣へ「報告してください」と書かれています [2]。
- 医療機器の記事も載ります。たとえば医療機器のサイバーセキュリティ(No.373)[4]、穿刺部止血デバイスの使用上の注意(No.309)[5]です。
実務での使い分け
- 安全性情報は「どの製品の添付文書が、いつ、どう変わったか」と、その根拠を確認するための資料です。
- 医療安全情報は「現場でどんなミスが起きていて、どう防ぐか」を共有するための教材です。
- 両方とも、PMDAメディナビに登録すればメールで受け取れます。安全性情報の表紙には、登録すると発表当日に入手できると案内されています [1]。
ご希望であれば、特定の成分の改訂が載った安全性情報の号を探します。
Sources: