Q.01

PRTRの届出はどうすればいいですか?

日本のPRTR届出(化管法、正式名称は化学物質排出把握管理促進法)は、まず自社が届出対象事業者に当たるかを確認し、前年度(4月から翌年3月)の排出量と移動量を算出します。そのうえで、事業所ごとに届出書を作り、毎年4月1日から6月30日までに、事業所がある都道府県等の窓口へ提出します。方法は電子届出が基本です(環境省「PRTR届出の手引き」 p.2-4)。

1. 対象事業者かどうかの確認(次の3つをすべて満たす場合が対象)

  • (1) 業種: 手引きの「業種コード・届出先一覧」に載っている業種を営んでいること。
  • (2) 従業員数: 事業者全体で常時使用する従業員が21人以上であること。
  • (3) 事業所の要件: 次のいずれかに当たる事業所を持っていること。
    • 第一種指定化学物質の年間取扱量が1トン以上(対象事業者ページでは、含有率1質量%以上の製品を対象としています)
    • 特定第一種指定化学物質の年間取扱量が0.5トン以上(同ページでは含有率0.1質量%以上)
    • 特別要件施設を設置している(金属鉱業・原油天然ガス鉱業の施設、下水道終末処理施設、廃棄物処理施設、ダイオキシン類対策特別措置法の特定施設)
  • 年間取扱量の数え方: 年度内(4月から翌年3月)の製造量と使用量の合計です。

2. 排出量・移動量の算出

  • 要件に当たる事業所ごとに、取扱量が1トン以上(特定第一種は0.5トン以上)の物質と、他の法令で測定が義務づけられている物質を対象に、環境への「排出量」と廃棄物などとしての「移動量」を1年分算出します。
  • 算出方法は「PRTR排出量等算出マニュアル」または「PRTR排出量等算出システム」で確認できます。

3. 届出書の作成と提出

  • 構成: 「本紙」(1届出に1枚)と「別紙」(届出対象の化学物質ごとに1枚)です。作成は事業所単位です。複数の事業所がある場合は、それぞれが所在する都道府県等に別々に提出する必要があります。
  • 期限: 4月1日から6月30日が最終受付日です。6月30日が土日の場合は次の月曜日までになります。届け出るのは前年度に把握した排出量・移動量です。
  • 提出方法: 手引きでは「基本的に電子による届出をお願いします」とされ、電子届出ができない場合に磁気ディスクまたは書面を選ぶ扱いです。
方法作成ツール提出のしかた
電子届出(推奨)NITEの「PRTR届出システム」にログインして入力システム上で6月30日までに提出処理。窓口への持参や郵送は不要
磁気ディスク(CD-R等)NITEの「PRTR届出作成支援システム」(「PRTR排出量等算出システム」で作ったファイルも新規届出に限り使用可)ディスク本体と「磁気ディスク提出票」を窓口に持参または郵送(郵送は6月30日必着)
書面「PRTR届出作成支援システム」などで二次元コード付きの届出書を作って印刷。押印は不要窓口に持参または郵送(郵送は6月30日必着)
  • 電子届出の事前手続き: 前もって「電子情報処理組織使用届出書」(様式第4)を都道府県等の窓口に、持参・郵送・メールのいずれかで出し、ユーザIDと初期パスワードを受け取る必要があります。2022年度の届出からクライアント証明書のインストールは不要です(電子届出ページ、手引き p.4)。
  • 書面届出の様式: 2024年度の届出(2023年度把握分)から新様式に変わり、旧様式は使えません。
  • 提出先: 都道府県によっては出先機関や政令指定都市が窓口になります。窓口は環境省の窓口一覧または経済産業省の窓口一覧で確認できます。届出書は都道府県知事等を経由して、その事業を所管する大臣に届きます。

4. 提出前後の注意点(手引き p.4-5)

  • 提出前に、手引き巻末の「提出前のチェックシート」で誤りがないか確かめます。
  • 書面と磁気ディスクで出した場合は、国が集計結果を公表するまで、届出書の写しと算出に使った資料を保管します。電子届出なら写しの保管は不要です。
  • 届出の後に内容の追加や修正が出た場合は「変更届出」が必要になることがあるため、提出先に早めに問い合わせます。
  • 届出内容に秘密情報が含まれる場合、化管法第6条第1項に基づく請求は事業を所管する省庁に出します。
  • 電子届出についての問い合わせ先は、NITE化学物質管理センターのシステムサポートです(info_prtr@nite.go.jp、03-5465-1683)。

Approach: 環境省の公式ページ(PRTR届出の流れ、届出対象事業者、届出方法、電子届出)と「PRTR届出の手引き」本文を読みました。データベースにある環境省PRTR届出ガイダンスは文書の所在情報だけで本文が入っていないため、内容は公式サイトから取っています。

業種コードの当てはめや、特定の物質が対象かどうかの判定が必要でしたら、業種と物質名を教えてください。

Q.02

どの事業者が届出の対象ですか?

PRTR(化管法)の届出対象になるのは、(1) 対象業種を営み、(2) 事業者全体で常時使用する従業員が21人以上であり、(3) 取扱量か特別要件施設の要件に当たる事業所を持つ事業者です。この3つをすべて満たす必要があります(PRTR届出の手引き p.2、環境省「届出対象事業者」)。

要件(1):対象業種(化管法施行令第3条、23業種) 補足1には次の業種が挙がっています。 金属鉱業/原油・天然ガス鉱業/製造業(食料品、化学工業、鉄鋼業などの細分類あり)/電気業/ガス業/熱供給業/下水道業/鉄道業/倉庫業(条件付き)/石油卸売業/鉄スクラップ卸売業/自動車卸売業/燃料小売業/洗濯業/写真業/自動車整備業/機械修理業/商品検査業/計量証明業/一般廃棄物処理業/産業廃棄物処分業/医療業/高等教育機関・自然科学研究所

  • 細かい当てはめは、手引き巻末の「業種コード・届出先一覧」(手引き p.64)で確認する扱いです。

要件(2):従業員数

  • 事業所単位ではなく、事業者全体で常時使用される従業員が21人以上であること(手引き p.2)。

要件(3):事業所の要件(次のいずれか1つに当たる事業所を持つこと)

区分製品中の含有率年間取扱量
第一種指定化学物質(令和3年改正で515物質)1質量%以上1トン/年以上
特定第一種指定化学物質(同23物質)0.1質量%以上0.5トン/年以上
  • 年間取扱量は、年度(4月から翌年3月)の製造量と使用量を合計した量です。物質によっては、化合物に含まれる金属元素、シアン、ふっ素、ほう素の量で判断します(手引き p.2-3)。
  • 取扱量に数えるのは、施行令第5条で対象とされた形状の製品(原材料・資材等)だけです(補足2)。どの製品が対象になるかの判定表は、このページでは画像で掲載されています。
  • 特別要件施設を設置している事業所は、取扱量にかかわらず対象です(補足3、施行令第4条)。
    • 金属鉱業または原油・天然ガス鉱業を営む場合:鉱山保安法第8条第1項の建設物・工作物その他の施設
    • 下水道業を営む場合:下水道終末処理施設
    • ごみ処分業または産業廃棄物処分業(特別管理産業廃棄物処分業を含む)を営む場合:廃棄物処理法の一般廃棄物処理施設・産業廃棄物処理施設
    • ダイオキシン類対策特別措置法の特定施設
  • 関連する処理施設の扱い: 対象業種を営み、指定量以上を取り扱う事業所があるとします。その事業所から出る廃棄物を処分する処理施設を別の事業所に置いている場合、その処理施設のある事業所も届出対象になります(手引き p.2-3)。

判定の流れ まず業種と従業員数(会社全体)で事業者として当たるかを確認し、次に事業所ごとに物質の取扱量や施設の有無を見ます。届出が必要なのは、要件(3)に当たる事業所についてです。

Approach: 環境省PRTR届出ガイダンスのデータベースを検索しました。そこには文書の所在情報しか入っていなかったため、内容は環境省の公式ページ(届出対象事業者、補足1から3)と「PRTR届出の手引き」本文から取っています。

業種名と取り扱っている物質(CAS番号)を教えていただければ、対象業種に当たるか、第一種と特定第一種のどちらに当たるかを確認できます。

Q.03

電子届出の期限はいつですか?

電子届出の期限は、毎年6月30日までです。その日までに、NITEの「PRTR届出システム」の中で提出処理を終えてください。6月30日が土曜日か日曜日の場合は、次の月曜日までとなります。受付が始まるのは4月1日で、届け出るのは前年度(4月から翌年3月)に把握した排出量と移動量です(環境省「PRTR届出の手引き」 p.3-4)。

電子届出で押さえておく点(手引き p.4)

  • システム上で提出処理をすれば届出は完了です。都道府県等の窓口へ持っていくことや郵送する必要はありません。
  • 期限の「6月30日」は、システムで提出処理をする日の締切です。磁気ディスクや書面を郵送する場合は「6月30日必着」で、この点が電子届出と違います。
  • 前もって「電子情報処理組織使用届出書」を都道府県等の窓口に出し(持参、郵送、メールのいずれか)、ユーザIDと初期パスワードを受け取っておく必要があります。IDが届くまで時間がかかることがあるので、期限より前に済ませておいてください。
  • 手引きでは、受付期間(4月1日から6月30日)の中で「お早めの届出にご協力ください」とされています。

Approach: 環境省のPRTR届出ガイダンスのデータベースを検索しましたが、期限について書かれた本文は見つかりませんでした。そのため、環境省の「PRTR届出の手引き」本文から取っています。

Q.04