ホルムアルデヒド 基準値は?家庭用品の対象区分と16・75μg/gの違い、乳幼児用繊維製品の測定方法を確認するには
家庭用品のホルムアルデヒド基準値は、出生後24月以内の乳幼児用の指定繊維製品で吸光度差0.05以下又は16μg/g以下、その他の指定製品で75μg/g以下です。対象製品の違い、水抽出による測定の概要、室内空気との単位の違いを整理し、品質保証担当者向けに検査依頼前の確認事項を示します。
ホルムアルデヒド 基準値は?家庭用品の対象区分と測定方法
日本の家庭用品のホルムアルデヒド基準値は、出生後24月以内の乳幼児用の指定繊維製品では、吸光度差0.05以下、又は試料1gあたり16μg以下です。それ以外の指定された下着・寝衣等と特定用途の接着剤では、試料1gあたり75μg以下となります(家庭用品規制法施行規則・別表第1)。
この基準は、すべての衣類や家具に共通する数値ではありません。製造・輸入・販売する製品を照合するときは、先に用途と対象品目を確認します。室内空気のホルムアルデヒド濃度とも分けて扱ってください。
対象製品別のホルムアルデヒド基準値
施行規則のホルムアルデヒド欄には、次の二つの区分があります。乳幼児用かどうかで、基準値だけでなく対象となる繊維製品の範囲も変わります。
| 区分 | 対象製品 | 基準値 |
|---|---|---|
| 出生後24月以内の乳幼児用 | 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、寝衣、手袋、くつした、中衣、外衣、帽子、寝具 | 所定の試験による吸光度差0.05以下、又は試料1gあたり16μg以下 |
| その他の指定製品 | 下着、寝衣、手袋、くつしたのうち上記の乳幼児用を除くもの、たび、並びにかつら・つけまつげ・つけひげ・くつしたどめに使用する接着剤 | 試料1gあたり75μg以下 |
出典:有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律施行規則・別表第1。
乳幼児用の欄にある「又は」は、二つの条件を両方満たすという意味ではありません。また、0.05は吸光度差です。「0.05ppm」や「ホルムアルデヒドがゼロ」と読み替えないでください。「以下」なので、基準の境界値も含みます。
75μg/gの区分を「大人用衣類の基準」と覚えると、対象を取り違えます。該当する年長の子ども用製品も含まれる一方、成人向けの外衣・帽子・寝具を一律にこの区分へ加えることはできません。個別の製品を判定するときは、施行規則の対象欄と照合してください。そこに列挙されていないことだけで、他の法令も含めて規制がないとは判断できません。
16μg/g、75μg/gと吸光度差の読み方
「試料1gあたり16μg」は16μg/g、「試料1gあたり75μg」は75μg/gと表せます。いずれも試料の質量に対する値です。検査報告書を読む際は、数値だけでなく、単位と対象区分もそろえて確認します(施行規則)。
一方、乳幼児用の判定に出てくる吸光度差は、質量あたりの濃度とは別の表し方です。所定の試験で、試験溶液自体の着色を補正して求めます。測定装置に表示された生の吸光度を、そのまま0.05と比べるわけではありません(厚生労働省「家庭用品中の有害物質試験法」ホルムアルデヒド(1))。
基準値を社内仕様書に転記する際も、「16」「75」だけを記載しないようにします。対象製品、単位、適用する試験方法を一緒に残すと、別の区分の結果との混同を避けられます。
ホルムアルデヒドはどう測定するか
乳幼児用繊維製品の試験では、身体と接触する繊維部分を細かくし、試料2.50gに水100mLを加えます。40℃で1時間抽出し、アセチルアセトンによる発色後、412~415nmの吸収極大で吸光度を測定します。試験溶液そのものの着色を補正し、吸光度差A−Aoを求める方法です(厚生労働省の試験法、PDF pp.64~66)。
40℃・1時間は水で抽出する工程の条件です。後の発色工程とは区別してください。この概要だけで試験手順のすべてを再現することはできません。接着剤など、別の区分の前処理へそのまま当てはめるのも避けます。
検査機関へ依頼するときは、製品名だけでなく、乳幼児向けかどうかと、上の表のどの品目に当たるかを伝えます。そのうえで、適用する試験法の版と、報告書に示す判定値・単位を確認してください。厚生労働省の法令・通知一覧には試験法の改正通知も掲載されています。
原材料に配合した量だけで、水抽出による試験結果を判断しないでください。また、法定の測定基準があることから、全製品・全ロットに一律の出荷前測定義務があると推測するのも避けます。試験頻度の判断と、製品に適用する基準の照合は分けて確認します。
室内空気用の測定器では同じ判定にならない
室内空気のホルムアルデヒド濃度と、家庭用品の試料1gあたりの値は、対象も単位も異なります。厚生労働省の室内濃度指針値に関する報告は空気の濃度を扱い、家庭用品規制法施行規則は指定製品の試験・判定を定めています。
そのため、室内空気用のホルムアルデヒド測定器の表示だけでは、繊維製品が上の基準に適合するかは判断できません。室内空気のppmを16μg/gや75μg/gへ換算して比較する使い方も避けてください。依頼した検査が「室内空気の測定」なのか「家庭用品の試験」なのかを、見積書や試験依頼書の段階で確認します。
検査依頼前に確認すること
「低ホルムアルデヒド」「ノンホルムアルデヒド」という表示だけで、法定基準への適合や含有量ゼロを判断しないでください。品質保証の記録では、表示とは別に、施行規則の対象品目・基準と試験結果を照合します。
- 製品の用途と、出生後24月以内の乳幼児用かどうかを確認する。
- 施行規則に列挙された対象品目と照合する。
- 検査機関と適用する試験法の版を確認する。
- 報告書の判定値と単位を、該当する基準に合わせて読む。
RegAffairs AIの家庭用品のホルムアルデヒド基準値と測定方法への回答でも、根拠文書を参照できます。