REGAFFAIRS AI
Guide · 2026-11-01 · 1 min

リスクアセスメント対象物質の調べ方。厚労省の最新対象物一覧で施行日と裾切値を照合し、今の義務対象かを判断する手順

リスクアセスメント対象物質は、安衛法に基づく危険性・有害性等の調査が必要な物質等です。厚労省の最新一覧を使い、成分名・CAS番号、施行日、混合物の含有率と裾切値を照合する手順を解説。ラベル表示とSDS通知の違い、検索で見つからない場合の確認方法、対象と分かった後の作業別評価と記録も扱います。

リスクアセスメント対象物質の調べ方と最新一覧の確認手順

リスクアセスメント対象物質は、労働安全衛生法に基づき、事業者に危険性・有害性等の調査が義務付けられる物質等です。厚生労働省の最新「リスクアセスメント対象物一覧(裾切値一覧)」で、物質名・CAS番号、施行日、混合物の成分濃度と裾切値を照合して確認します。

法令上の呼び名は「リスクアセスメント対象物」です。安衛則第12条の5は、施行令第18条各号の物と通知対象物を、この名称で定義しています。安衛法第57条の3が調査義務を定めています。未施行分を含む一覧に載っているだけでは、現在の義務対象とは判断できません。

リスクアセスメント対象物質の最新一覧はどこで確認する?

確認の入口は、厚労省の「化学物質による労働災害防止のための新たな規制について」です。2026年11月1日時点では、対象物一覧の更新日は2026年6月5日と案内されています。一覧は、次の4つに分かれています。

  • 施行済のもののみの一覧
  • 令和9年4月1日施行対象物質の一覧
  • 令和10年4月1日施行対象物質の一覧
  • 未施行のものを含む全物質一覧

現在の義務対象を調べるときは、施行済のもののみの一覧を確認してください。将来の追加に備える確認とは分けます。令和9年(2027年)と令和10年(2028年)の施行分は、2026年11月時点では未施行です。

物質名やCAS番号を探すには、職場のあんぜんサイトのラベル表示・SDS交付義務対象物質の一覧・検索も使えます。ただ、そこで見える一覧は2025年4月1日現在のままです。検索できただけでは足りません。新しい厚労省一覧と照合してください。

対象かどうかを調べる手順

1. 製品のSDSから成分情報を整理する

まず、使用する製品のSDSを手元に集めます。成分名、CAS番号、含有率を整理し、対象物一覧と照合できる形にしてください。混合物は製品名だけでなく、含まれる成分とその量を確認する必要があります。施行令第18条・第18条の2は、対象物を含む製剤等でも、含有量が厚生労働大臣の定める基準未満のものを除いています。その数値は、この政令の条文には書かれていません。

成分や含有率が分からなければ、供給者に確認してください。情報が足りないまま「対象外」と処理せず、確認待ちとして管理します。

製品の用途も確認します。安衛則第12条の5は、主として一般消費者の生活用に供される製品に係る調査を除いています。業務用製品まで「市販品だから対象外」と一括しないでください。

成分の有害性等を調べる補助資料には、職場のあんぜんサイトのモデルラベル・モデルSDS検索があります。日本語名、英語名、化学式、CAS番号等で探せますが、最新の法定対象一覧の代わりにはなりません。対象判定と、評価に使う危険性・有害性情報の収集を分けて進めてください。

2. CAS番号に加え、名称と物質群を確認する

CAS番号で見つからなくても、非対象とは限りません。厚労省一覧のCAS番号欄は参考です。番号の一致だけで指定範囲を決めないでください。物質名や別名に加え、「○○及びその化合物」などの物質群も確認します。塩、水和物、異性体についても、一覧の名称や物質群の指定範囲に含まれるかを確かめてください。

公式検索の注意事項は、物質群や多数の異性体を網羅していない場合があると説明しています。例として、酢酸コバルトは「コバルト」でも検索し、「コバルト及びその化合物」への該当を調べる方法が示されています。CAS検索のヒット数だけでは判断できません。

3. 該当する行の施行日を見る

成分が見つかったら、最新一覧の施行区分を確認します。「未施行のものを含む全物質一覧」で見つけた行は、いつから対象になるのかを確かめてください。

社内の管理表には、照合した資料の更新日と施行日を別々に残すと確認しやすくなります。ページの更新日は、その物質の義務が始まる日とは限りません。現在の判定欄と将来の施行予定欄を分ければ、今必要な評価と、施行に備えた確認を混同せずに管理できます。

4. 混合物の含有率と裾切値を照合する

裾切値は、混合物中の成分濃度を判定するための基準です。厚労省の裾切値一覧では、ラベル表示とSDS交付の欄を別々に確認します。全物質に一律の「1%」や「0.1%」を当てはめないでください。

ラベルがないことも、対象外の根拠にはなりません。安衛則第30条と第34条の2では、表示と通知の除外条件に違いがあります。ラベル表示の免除を、リスクアセスメントの免除とは読まないでください。

また、製品中の重量%と、作業中の空気に含まれる濃度は別の指標です。含有率の裾切値を、ばく露管理の濃度基準として使うことはできません。濃度の基準以下にする義務は、すべての対象物にあるわけではありません。安衛則第577条の2第2項は、厚生労働大臣が定める物を扱う屋内作業場について定めています。

対象と分かった後の化学物質リスクアセスメント

対象物の確認は、作業の評価に進むための準備です。SDSの保管や物質名簿の作成だけでは、作業で生じる危険を評価できません。厚労省の実施支援ページに沿って、業務ごとに次の情報を整理します。

  • SDS等から、健康障害につながる有害性と、爆発・引火等の危険性を特定する。
  • 取扱量、作業時間・頻度、換気、皮膚接触等の条件を調べる。
  • その条件でリスクを見積もり、低減措置を検討して実施する。
  • 評価結果と措置を記録し、作業する労働者に周知する。

低減措置には、物質の代替、発散源の密閉、局所排気や全体換気、作業方法の改善、有効な呼吸用保護具等があります。安衛則第577条の2第1項は、健康障害を防ぐため、必要な措置で労働者のばく露を最小限度にする義務を定めています。「低減措置はすべて任意」とは扱えません。

評価を支援するツールとして、CREATE-SIMPLEも利用できます。取扱量や含有率、換気、作業時間等を使ってリスクを見積もる補助ツールです。使用自体が義務ではなく、計算を終えた後も低減措置の検討が必要です。

対象物の製造・取扱いは、化学メーカーだけの問題ではありません。業種や事業場規模を問わず、サービス業や医療・福祉でも対象となり得ます。公式支援ページで対象範囲を確認してください。対象物を製造・取り扱う事業場ごとに、安衛則第12条の5に基づく化学物質管理者の選任が必要です。

RegAffairs AIの「リスクアセスメント対象物質はどう調べればいいですか?」への公開回答でも、対象確認と確認後の対応を参照できます。

変更時の再評価と記録を分けて管理する

評価の契機は、対象物を原材料等として新たに採用し、又は変更するとき、作業方法や手順を新たに採用し、又は変更するとき、そのほか危険性・有害性等に変化が生じ、又は生ずるおそれがあるときです。安衛則第34条の2の7は、全事業者に一律の「年1回評価」を求めているわけではありません。

評価結果は、対象物の名称、業務内容、評価結果、講ずる措置を記録して周知します。安衛則第34条の2の8では、保存は次回の評価までですが、3年以内に再評価した場合は3年間です。一律に3年で廃棄しないでください。措置やばく露状況等には、安衛則第577条の2の別の記録義務もあります。評価結果の保存期間と取り違えないでください。

関連ガイド