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GUIDE · 2026-10-05 · 1 min

トルエンは劇物?指定令の該当号と混合物の扱い、メタノール・アセトニトリル等の濃度基準

トルエンは毒物及び劇物取締法の劇物です。指定令第2条第1項第七十六号の二は原体のみを指定し、含有製剤や濃度除外の規定はありません。混合物は他の成分の指定も確認します。メタノール、キシレン、アセトニトリル、苛性ソーダなどの該当号と濃度基準、劇物表示やSDSに関わる主な注意点を説明します。

トルエンは劇物か?指定令の該当号と製剤の扱い

トルエンは毒物及び劇物取締法上の「劇物」です。根拠は毒物及び劇物指定令第2条第1項第七十六号の二で、条文は「トルエン」の一語だけです。

「及びこれを含有する製剤」の文言がないため、この号で劇物になるのはトルエンそのもの(原体)です。トルエンを含む混合物はこの号では劇物にならず、濃度による除外規定もありません。以下は2026年10月5日時点のe-Govの現行条文(指定令は2025年11月1日施行版)にもとづきます。

混合物が劇物になるかの見方

毒物及び劇物取締法は別表第二で劇物を名指しし、第九十四号で政令による追加を認めています。これを受けた指定令第2条は「次に掲げる物を劇物に指定する。ただし、毒物であるものを除く。」と定めます。

混合物が対象になるのは、号に「…を含有する製剤」とあるときだけです。物質名だけの号は原体が対象で、除外があるときは「ただし、…%以下を含有するものを除く。」と書かれます。

メタノール・キシレンなどの劇物該当と濃度基準

号の書き方で、原体だけか、濃度を超える製剤までかが分かれます。

物質根拠劇物になる範囲
トルエン指定令 第2条第1項第七十六号の二原体のみ。濃度除外なし
メタノール法 別表第二 第八十三号原体のみ。指定令に号なし
キシレン指定令 第2条第1項第二十二号の四原体のみ
アセトニトリル指定令 第2条第1項第三十二号(有機シアン化合物)原体と、40%を超えて含む製剤
クロロホルム法 別表第二 第二十号原体のみ。指定令に号なし
メチルエチルケトン指定令 第2条第1項第九十八号の十三原体のみ
水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)法 別表第二 第五十四号、指定令 第2条第1項第六十八号原体と、5%を超えて含む製剤
モルホリン指定令 第2条第1項第百一号の三原体と、6%を超えて含む製剤
硝酸銀指定令 第2条第1項第二十四号(無機銀塩類)塩そのもの。「含有する製剤」の文言なし

表の物質はすべて劇物で、毒物に当たるものはありません。アセトニトリルは、指定令第三十二号の「有機シアン化合物」に含まれます。除外(3)は「アセトニトリル四〇%以下を含有する製剤」です。40%以下の製剤は、この号の対象から外れます。

メタノールとクロロホルムは法の別表第二に直接載っています。指定令だけでは確認できません。

硝酸銀水溶液が劇物かどうかは、第二十四号だけでは決められません。同号は塩化銀と雷酸銀を除くだけで、水溶液の文言はありません。他の成分も見てください。硝酸そのものは法の別表第二第五十一号の劇物で、指定令第六十三号は硝酸10%を超えて含む製剤を劇物にします。

トルエン入りのシンナーや塗料はどう扱うか

トルエンを含むシンナー、接着剤、塗料は、トルエンの号では劇物になりません。法第3条の3は、興奮、幻覚又は麻酔の作用を持つ政令指定の物を、みだりに摂取・吸入し、その目的で所持することを禁じています。施行令第32条の2が指定するのは、トルエンと、酢酸エチル、トルエン又はメタノールを含有するシンナー、接着剤、塗料、閉そく用又はシーリング用の充てん料です。これは乱用の禁止で、劇物指定ではありません。

他の成分を含有する製剤として劇物に該当する場合もあります。成分ごとに製剤の指定と濃度条件を確認してください。

労働安全衛生法は別の法律です。職場のあんぜんサイトのモデルSDSでは、トルエン、メタノール、キシレンはいずれも安衛法の表示・通知対象、リスクアセスメント対象、第2種有機溶剤等です。混合物が毒劇法の劇物に当たらなくても、安衛法の表示・通知対象に該当するかを別に確認してください。

劇物表示と取扱いの主な義務

毒物及び劇物取締法では、販売・授与の目的で製造・輸入するとき、また販売・授与するとき(そのための貯蔵、運搬、陳列を含む)に登録が要ります(第3条・第4条)。電気めっき、金属熱処理、大型運送、しろあり防除で業務上取り扱う者は、登録とは別に30日以内の届出が要ります(第22条)。営業者の主な義務は次のとおりです。

  • 第7条:直接取り扱う製造所・営業所・店舗ごとに専任の毒物劇物取扱責任者を置き、30日以内に届出
  • 第11条:盗難・紛失・漏えいの防止。飲食物の容器は、どの劇物にも使えない(施行規則第11条の4)
  • 第12条:「医薬用外」と、白地に赤色で「劇物」と表示する。GHSの絵表示とは別に必要です。貯蔵・陳列場所にも「医薬用外」と「劇物」
  • 第14条・第15条:販売・授与の記録を5年間保存する。18歳未満の者などへは渡せない

営業者は、販売し又は授与する時までに、性状と取扱いに関する情報を譲受人に出します(施行令第40条の9)。一回二百ミリグラム以下の劇物も、提供義務の対象外です(施行規則第13条の10)。

一覧ファイルで調べるときの注意

国立医薬品食品衛生研究所の毒劇法ページには「毒劇物一覧/検索用ファイル」があります。便利ですが、収録は令和6年政令第196号までです。2025年11月1日施行の改正は入っていません。ただ、その改正で上の表の物質の条文自体は変わっていません。同ページは「ファイルの検索項目は除外規定を考慮していません」と書いているので、アセトニトリル、苛性ソーダ、モルホリンは条文で見てください。有機シアン化合物のような群指定も一部しか載っていません。

この質問をRegAffairs AIに聞いた回答と出典では、各物質の該当号と条文を原文リンク付きで確認できます。